塩鮭のライティング遡上

文章力向上のためにひたすら書くブログです。

遡上:11:肥れ。もっとふとるのだ。

10日続けたことにほっとして2日さぼってしまった。
気を取り直して続けよう。
 
コロナの弊害を、在宅勤務の恩恵で相殺すべく、実家で仕事をしている。
  
ウイルスよりもさみしさが毒であるようで、祖母の食欲と意欲が落ち、体重が減った。
 
いかん。高齢者の体重が減ると、筋肉が減って転びやすくなったり気力が落ちたり
いいことがひとつもない。
年齢とともに巻き戻せない変化が多い中、体重は介入すれば改善する数少ない項目だ。
食べれば増える。
 
ありがたいことに婆様に目立った持病はない。年齢の割にたいそう健康なので、介入の要諦は「一緒に食べる人がいて、食事の準備をする気力が沸く」環境をつくるに尽きる。
 在宅勤務ができるわたしの出番だ。土日と組み合わせれば4~5日はいられる。
 
支度をする気力もないであろうと想定し、自分が料理する用につくれぽ1000以上のレシピを書き溜めてきたのだが、いまのところまったく活躍していない。
 
祖母は仕事している部屋に頻繁に献立の相談にやってくる。
大量にもらった豚肉の消費方法、夏の間に消費できなかった冷やし中華を食べようと思うのだがどうか。ケンタッキーがおいしそうだから買ってきてほしいのだが滔々。
いちまつの面倒くささを感じるものの、よし、その調子だ、食いものへの執着を取り戻すのだ…とほくそえむ。
 
夕食のテーブルに並ぶおかずを見て、こんなに食べるの久しぶりよぉう…という彼女に、いや、先々週も同じことをいっていたぞ…というツッコミをいれつつも、いい、もっと肥えるのだ…と思う。
ヘンゼルとグレーテルのばーさんの気持ちだ。
「肥れ…もっと肥れ…」と願いをこめて実家にいる。
たっぷり肥えても食べないけどね。