塩鮭のライティング遡上

文章力向上のためにひたすら書くブログです。

20:ポンコツ礼讃

難しい本を読めなくなった。

正確に言うと、特定の分野の本が読めなくなった。

 

一時期浴びるほど読んだ本を、改めて読もうと思って買いなおしたが、ほんの3ページしか読めなかった。

 

そこそこ高価だったのに、ほとんど読めない自分に妙にほっとしている。

むしろそれをうれしく思っていて、ちょっとした卒業感を味わっている。

 

必要だからするのと、好きだからするのは、全然違うじゃない?

 

むかしは、目的を達成するためなら何でもする、という感じで読んでいたから、苦しいとか嫌だとか感じる暇はなかったのね。

いまは、それが苦しいと感じるし、しかも頑張っても読めないから、数年前とは全然違う人間みたいだ。

翻ると、いまその本を読めないのは、必要でなくなったということで、わたしはたぶん目的地にたどり着いているということになる。

 

年々馬鹿になっているだけの気もするけれど、考えすぎて不幸な人より、ポンコツだけど幸福なほうがいい気もしている。

 

頭の良しあしなど、しあわせのまえでは瑣末なことだ。