塩鮭のライティング遡上

文章力向上のためにひたすら書くブログです。

21:願いが叶う83歳の秘密

わたしの祖母は、女子力の塊のような人です。
 
彼女は息を吸って吐くかのごとく常にお願い事を繰り出し、私や家族は疑問を抱く隙もなくほぼ自動的に彼女の要望を叶えてしまっているのです。
ゴリ押ししまくっているのに、そう感じさせない女子力の高さ…ッッ。   
 
ところで、女子力って良くも悪くもどうとでも使える実体のないワードですよね。
 
なので、ここでは仮に以下に定義します。
 
女子力とは、「自分の願いは叶って当たり前」と疑いなく思える力 である。
 
ゴリ押しがゴリ押しでなく、気が付いたら願いが叶えられているのは、この力によるもの。
 
願いは叶うと疑っていないので、お願いすることに微塵も罪悪感がないのです。
叶って当然なので、相手がやってなかったときも、あれはやってくれた?と確認することに躊躇もありません。
そりゃ叶いますよ。ええ叶いますとも。
 
逆にですね、願いは叶わないという前提だと、人に頼むこと自体のハードルが高いし、頼んでも確認するのがストレスで、もういいやとあきらめちゃったりして結局叶わないんですよ。
当然ですよね。だって、前提が「わたしの願いは叶わない」なんだもの。
 
祖母…83歳の女子力の前にひれ伏す孫…。
 
さて、自分ができないことを平然とやってのける人って、憧れるか嫌いになるかどっちかじゃないですか?
 
わたしは祖母のことが嫌いでした。
あ、いまは好きです。かわいくて仕方ないっす。うちの祖母は世界一かわいいっす。
 
話がそれましたが、女子力が暴走すると、感謝と限度がなくなるんです。
そこが嫌いでした。女子力のダークサイド。
 
人の都合などお構いなしに要望が叶うまで投げつけて確認するうえに、ひとつ叶う前から別の願いまで投げつけてくると、それはもはや暴力です。
あれもこれも叶って当然。なんでできないの?まだなの?と怒りを向けられてもですね、入力が多すぎるんで、それは無理。無理無理。
 
ダークサイドからのパンチを直撃で食らっていたので、祖母の女子力を嫌悪していましたが、整理してみればかなり使えそうです。
 
なぜなら、女子力ダークサイドはブライトに変換する方法があるからです!
 
それは、 感謝。当たり前すぎるので、もういちど言います。感謝です。
うれしい、ありがとう、たすかった、あなたのおかげです。
 
そもそも、自分以外の誰かが時間や労力をかけてくれたから願いが叶うのであって、叶って当然ではないですよね。
だから、あなたの時間をわたしのために使ってくれてありがとう。
自分ができないことをやってくれて助かった。
わたしの願いをかなえてくれてうれしい。なわけです。
 
ちいさな願い事で感謝の爆出しするのもどうかと思いますが、感謝はタダですし、減りません。
無料です。減りません。むしろ増えます。
喜ばれたらまたやってもいいかと思うのが人情です。
 
ということでもう一度定義をし直すと、
 
攻めの女子力: 自分の願いは叶って当たり前と疑いなく思える力
 
守りの女子力:叶ったことは当然ではないので他人に感謝できる力

 

って感じでしょうか。

 
そういえば、わりと尽くすタイプだった友人が、いくつかの恋に破れた後に 「 これからは愛のカツアゲよっ」と言って、尽くすのをやめて次の恋をゲットしていました。
ほしいものをほしいと堂々と言ってやってもらうことは悪ではなく、お互いにウィンになる女の正しいあり方だそうです。
 
カツアゲとは表現が不穏ですが、あながち間違ってなさそうです。
要望と感謝が循環するのは、男女関係なくいい在り方ですよね。
 
わたしもとんかつDJアゲ太郎なんて観ていないで、愛のカツアゲ業に励んだほうがいいような気がしてきました。
ひとまず夕食にカツでも食べて、カツアゲは明日から。