恋人が、あなたの友達とセックスしたいと言ったらどうだろうか。
気持ち悪い。
わたしは嫌だ。
吐き気がする。
そんな話を笑って彼女にする男も、怒りもせず茶化して聞き、あまつさえ話に出た友人に一部始終をくったくなく話す女も、相当に気持ちが悪い。
セクシュアルハラスメントと自己評価の低さが通奏低音のように響く醜悪さに嘔吐。
「男は不特定多数の女とセックスしたくて当たり前」、「女はそれを許して一人前」という無意識の前提がこの茶番の裏にありありと見える。はたしてその前提は本当だろうか。
彼女の友達に性的魅力を感じたとして、それを彼女に言う必要があるだろうか。彼女を嫉妬させたいとしたら、ずいぶんと醜悪なプレイだ。
他人の身体的特徴について、個人が何を感じるのも自由だが、あからさまな言葉で品評すること自体がセクシュアルハラスメントだという発想がこの2人にはない。友人に対して下品で失礼なことをしていると思わないらしい。
そして、自己評価の低さ。
彼女は別の女とセックスしたがる男を笑って許容しているふりをしているが、心の底ではドロドロに嫉妬しているのである。嫉妬は自然としても、その嫉妬を男に向けず女友達に向ける。そこに自己価値の低さと気持ち悪さの極みがある。
女に嫉妬を向けてもその男は変わらない。対象を変えて同じことを繰り返すだけだ。
自分のことを大切に扱うなら、その男の無礼な発言にこそ怒りを向ける。怒りというよりも悲しさかもしれない。感じている感情が何にせよ、自分の感情と要望を伝えあうことがrelationshipなのではないか？
セフレでも不倫でも、感情と要望のやりとりをしてはいけないなんてルールはない。関係性の種類を理由に喧嘩ができないなんていうのは言い訳にすぎない。
自分の感情を尊重せず男にいい顔をするのも個人の自由だが、抑圧した怒りを他人に向けるのは幼稚もいいところだ。
その嫉妬、きちんと男に向けて喧嘩したらどうかね？
喧嘩したら彼との関係が終わると恐れているのかね？
そんな喧嘩で壊れるとしたら、その関係は何なのかね？
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