秘密って好きですか。
わたしは好きなのと嫌いなのとあります。
嫌いな秘密は、他人の重荷を肩代わりするもの。
他人のメリットのために抱え込む秘密です。
思い出すのが、不倫痴話喧嘩プレイに巻き込まれたときのこと。
双方と友人だったので、男のほうから彼女なしで飯に誘われまして。
わたしは彼女に対して秘密を持ちたくなかったので確認しました。
あなたが嫌なら行かない。どう思う?と。
彼女の気持ちを最優先するという愛からだったのですが、勝手にしろと言われたので、行くことにしました。もやもやを感じたものの。
そのなりゆきを男にも話したら、それはわたしが秘密にすべきことで、言うなんて子供っぽいとそしられたんですね。
え?なんで?意味がわからない。
なぜ?わたしが?秘密にせにゃあかんの?
彼女の友達と会うのは、秘密にするような悪いことなんですか?
あなたが誘ったんですよね?わたし彼女と友達なんですけど?
あなたのために、わたしが秘密をもたないといけないんですか?
と憤慨したことを思い出します。ふーっ。
逆に、自分だけが知っていて幸福になれる秘密は好きです。
たとえば、大変高価なフランス製の下着を愛用しているとか、そんな感じのです。
他人に害をなさない、個人で完結する自己満足的なもの。
もうひとつは、誰かがわたしを信頼して話してくれたパーソナルで繊細な事柄について。
その人の人生で大切なこと。
それは傷や悲しみを伴うことが多いけれど、だからこそそれがその人固有の美しい資質の源であったりすること。
他人に話すには勇気がいるけれど、その人の根底にある大切なものを共有してくれた相手と、それを受け取れた自分と、その関係を宝物のように扱うために、ほかの人に話さない。
そういう信頼と愛に基づいた、関係を豊かにする秘密は好きです。いとおしいです。
わるい秘密は人も関係も腐らせます。
よい秘密は人生に彩りと美しさを与えます。
どんな秘密をもつか、わたしたちは選択ができます。日々その質を吟味して、ここちよい秘密を積み上げていく人生は味わい深いものになるでしょう。